こんにちは、お茶くまです。
今回は「公認会計士はやめとけ」というなんとも後ろ向きなタイトルで投稿していきます。
世間では、「公認会計士になればこんないいことがあるよ!」って内容の記事やサイトは無限にありますが、「やめとけ」って内容の記事はそこまでないと思いますので、監査法人勤務の管理人が、リアルな現状を踏まえて投稿していきたいと思います。
あと、完全主観になりますが、「こういう人はやめといた方がいいんじゃないかな?」とか「別の道に進んだ方がいいんじゃないかな?」ってタイプもまとめております。そして、「こういう人は目指したらいんじゃないかな?」ってのも書いてますので合わせてご参考ください。
↓あと、本記事をベースにしたものをYouTubeでも投稿してますのでよければ合わせてどうぞ
↓結構長文なので、目次から興味あるところをクリックするのが良いかと思います。
なぜ公認会計士はやめとけと言われるのか?
なぜ公認会計士はやめとけと言われるか、いろいろあると思うのですが、考えられる候補をいくつか挙げました。
一応Google検索もかけて、神(Googleのこと)のご意見も頂戴し、世間の人が気にしていることを羅列しております。4つピックアップしました。
【公認会計士はやめとけと言われる理由】
・AIに仕事を奪われる
・仕事があまりにもハード(激務)&つまらない
・試験が難しい
・就職が困難
いろいろありますね。まあネットは2chをはじめとしネガティブ情報も溢れているのでまあこんなもんです。これらのネットからかき集めた情報をもとに、管理人が現場からの意見を順番に書いていきたいと思います。
その1:AIに仕事を奪われる
こちらは「是非とも仕事を取っていってください、マジでAIさんお願いします」って感じです。
監査の仕事はクソみたいな作業含め、やること山盛りで、残業の嵐、繁忙期は心がすさむこと間違いない日々を過ごすことになりますので、AIさんには是非とも我々から仕事を奪って欲しい限りです。管理人は何回も決算を経験してますが、毎年猫の手も借りたい的な状況です。
もしかしたら100年後くらいにはAIに本当に仕事を奪われるかもしれませんが、そんなこと言い出したら、銀行業務とか跡形もなくなっていると思うので、あと数年で監査の仕事が消滅することはほぼ間違いなくないです。
監査は、世の中の会社に合わせて動くところがあると思いますので、AIを導入した結果、いろんな会社で「今の従業員数が半分になりました〜」みたいな事態がたくさん起きれば、監査もAIに取って代わる時が来るかもしれません。
ということを考えると、しばらくは大丈夫そうですね。
その2:仕事がハード(激務)&つまらない
これは残念ながら事実です。事実オブ事実です。仕事はまじであまりにもハードです。
もちろん昭和の時代にあるような、上司に怒鳴られながら仕事をするとか、厳しいノルマを強いられているとかではないので、そういう意味のハードさはないというか、いやむしろ人間関係とかは結構ホワイトな部分が多いと思うのですが、いかんせん仕事量がクッソ多いです。
特に最近は人手不足の時代なのか、「あれ?このタスクって去年は2人でしてたのに今年は自分1人っすか?マジっすか」とか、「チームの人数そもそも減ってないすか?苦しすぎないっすか」みたいなことが日常茶飯事であります。それゆえ1人当たりの負担が増えて、疲弊が加速する感じです。

まあ人手不足ってのは、監査業界だけに限らず、どの職種も似たような現象が起きているところかと思いますが、近年この傾向はますます加速してるんじゃないかなあって思います。
あと、激務とか以前に、そもそも仕事がつまらないのでは?って点ですが、つまらない面も多々あります。ていうか、仕事の8割くらいはつまらない仕事です。
まあこの辺は個々人の捉え方にもよるんでしょうけど、実際のところ監査法人を辞めて違うところへ転職していってる人がたくさんいるのを考えるとつまらない仕事が多く占めているのも事実なんでしょうね。夢のない話ですみません。
その3:会計士試験が難しい
これも事実です。試験はふつうに難しいです。ていうかこれが一番の理由かもしれません。
なんか世間的には、文系の最高難易度試験とかなんとか言われたりするみたいで、合格するにはそれなりの頑張りがないといけないと思います。途中で挫折する可能性も考えたら、公認会計士はやめとけと言われるののもまあ納得って感じです。
この試験にチャレンジしてる人はみんな人生を賭けてるところがあるので、やはり難易度はそれなりのものだし、少なくとも片手間でできるようなことではないかと思います。
ちなみに、合格に必要な時間は10,000時間くらいです。

その4:試験に合格しても就職が困難
これは半分正解、半分間違いと思います。
管理人が就職したときは比較的緩かった時代なので、就活とか特にしなくても、説明会や面接でヤバい失言とかをしない限り、余裕で希望の先に就職できました。
が、時代によっては、難しい試験を突破しても、働き口がないという不遇の世代もあったようです。
この辺りは、合格者を何人排出するかという神の手(国のご意向)次第なところがあり、我々がどうにもできないところです。日本と中国の今後の関係が正確に読めないのと同様に、5年後の就活状況を読むのは非常に難しいです。
そもそも勉強開始時には、いつ試験合格できるかという明確な時期は分からないことに加えて、業界状況や就活状況も3~4年くらいの幅で変わっていくので、あまり考えても意味ないかと思います。
試験勉強をスタートしたときはめちゃめちゃ就職難の時代だったとしても、試験に合格したときにはバリバリ回復しているみたいな状況も十分あり得ます。
ご参考までに就職の記事はこちら。

「公認会計士はやめとけ」のまとめ
いろいろと書きましたが、上記の通りネガティブな面も事実としてあるので、公認会計士はやめとけというのは半分当たってることになります。
【公認会計士はやめとけと言われる理由】
・AIに仕事を奪われる
・仕事があまりにもハード(激務)&つまらない
・試験が難しい
・就職が困難
が、これらのネガティブ面よりもポジティブ面が大きく上回ると思えたら、目指す価値はあると思います。ボジティブ面は何かな?というメリットの側面を以下で解説します。
ちなみにTACとか大原のHPに行けば、「独占業務が〜」とか「社会的地位が〜」とか耳障りのいいことが大量に並べられていますが、そういう明らかに分かっていることは省略します。
公認会計士のメリット、目指すべきおすすめ理由
やめとけとかいう非常に後ろ向きな話が続きましたので、逆にメリットや、おすすめポイントにも軽く触れたいと思います。
【公認会計士はやめとけと言われる理由】
・収入•給料が高い
・繁忙期じゃない時は長期休暇が取れる
・キャリアの可能性が広い
ちなみに、上記3つ以外にもいろいろと買いた記事があるので合わせてどうぞ。

その1:収入•給料が高い
まず1つ目は、収入•給料が高いことです。なんとも下世話な話です。
まあでも世の中の平均よりは間違いなく高い給料水準なので、不動産投資に騙されるとかでない限り経済的に困ることはほとんどないかと思います。
多くの人が入社するであろう監査法人では年収がマックス3,000万円までいけるかもしれません。

その2:繁忙期じゃない時は長期休暇が取れる
2つ目は休暇関係です。休みは非常に取りやすい環境にあると思います。
特に8月のお盆あたりは、7月決算とかを担当してない限り、かなり休みが取りやすいので、2週間通しで休みも普通に取れると思います。
監査法人勤務の多くの人は、上記のように夏はまとまった休み方をしているので、気持ち的にも取りにくいとかないです。
なので、海外旅行とかが好きな人は非常にメリットかもしれません。普通の会社員だと2週間連続の休みをとってヨーロッパ周遊・・・とかはほぼ不可能に近いと思いますので。
ただ監査法人は基本クッソ残業をすることとなります、関連記事はこちら↓

その3:キャリアの可能性が広い
3つ目はキャリアの可能性が広いことです。会計周りを基本としていろんなジャンルの分野の選択肢が広がってます。
多くの人は監査法人に勤務することからスタートするかと思いますが、他にも、一般企業の経理に転職したり、コンサル事業を起こしたり、独立して税務顧問をしたり・・・など選択肢の幅は非常に多岐に渡るかと思います。
一般企業に勤務する人が抱える悩みの代表的なものって、「今の仕事を辞めたい、でも辞めたら次がない」みたいなところかと思います。が、公認会計士だと、仮に今の職場を辞めても資格パワーで次の転職先が結構簡単に見つかります。いやまあ管理人は転職したことがないので半分想像ですが。
まあとはいえ、この選択肢の多さは非常に心強いですね。

こんな人は公認会計士を目指すのをやめとけ
と、前半部分を踏まえて、「公認会計士を目指そうかな〜」と思ってる方もいるかと思いますが、慎重に決めていったほうが良いです。ネガティブな感じになってしまいすみません。
そもそも他人の人生の選択に関与する権利は1ミリもないのですが、実際やめといた方が良いってパターンがあると思います。具体的には下記のような場合はやめといたほうがいい、少なくとも本当に目指していいのか!?って一度立ち止まることをおすすめします。
【こんな人は公認会計士を目指すのをやめとけ】
・目標達成に強い気持ちがない人(※センスの塊除く)
・コミュニケーション能力が著しく欠如している人
その1:目標達成に強い気持ちがない人(※センスの塊除く)
これが一番重要です。というかこれさえ大丈夫だったら、公認会計士を目指して良いと思います。
会計士試験に合格するのが単に難しいって話と被るのですが、この試験をクリアーするには短くて2年、長ければ5~7年とかも普通にあります。そしてその多くは20代の期間です。
なので、周りは、大学生活がどうとかとか、就職がどうとか、社会人になってどうとかそういう時期です。その中で合格できるかどうかも分からない試験に向けて毎日1日のほとんどを勉強に費やすことになります。
最後まで諦めないで取り組む姿勢がないと普通に挫折します。マジで挫折します。
というか、合格している人の多くな何回も挫折してると思います。その状況下でも再度チャレンジをするという絶対に目標を叶えるんだ的な気持ちがないと続かないと思います。いや結構マジで。
ちなみに、※(こめじるし)で「センスの塊は除く」って書いた件ですが、勉強に対するセンスがめっちゃあって、試験とは余裕でクリアできますって人は、目指そうかな〜どうしようかな〜とか迷う必要もないので、なるはやで試験勉強をスタートしたら良いと思います。
旧帝大に現役で合格しましたくらいの感じだったら、この試験も長期化する可能性も低いかと思います。
その2:コミュニケーション能力が著しく欠如している人
2つ目にあげてる「コミュニケーションが著しく欠如〜」ってのは1つだけだと物足りないから付け足しただけで、完全なる噛ませ犬です。
こちらは噛ませ犬なので適当に書きます。いやむしろコミュニケーション能力が欠如してても全然目指して良いと思います。
おそらく多くの人が合格後入ることになるであろう監査法人は一般企業と比べてもかなり多種多様な人が集まっていると思うので、コミュニケーションが欠如していようが全く問題なしです。
というかコミュニケーション能力とかは努力次第で改善できます。
こんな人は公認会計士を目指そう
最後に前向きな話です。
このクソ長いブログをここまで読んで頂いた方はおそらく「公認会計士を目指そうかな〜どうしようかな〜」って迷っている方と思いますので、こうだったら目指したらいいんじゃないの?っていうのを完全主観で書きます。
ちなみに、巷のブログで溢れているような「数字に強い」とか「コミュニケーションするのが好き」みたいなサルでも分かるわみたいなことは省略します。
【こんな人は公認会計士を目指そう】
・勉強が明確に得意
・会計士を前提とした志がある人
その1:勉強が明確に得意
まず1つ目は「勉強が明確に得意」です。ただの得意ではちょっと弱いです。”明確に”得意なほうがベターです。
というのも、日本の国家資格は難しい反面、試験さえ突破できれば勝ちみたいなところがあるので、勉強が明確に得意なら目指す方向でいいかと思います。
試験さえ突破できたら、そうでない時と比べて結構と可能性が広がる人生になるかと思います。
逆に、勉強があまり得意じゃないよって場合は、慎重になりましょう。
勉強のできるできないは合否を決める要因にはならないですが、有利不利を決める要因にはなります。リアルなところでいうと、勉強が不得意だと同じ努力を積み重ねても周りより合格が1年遅いとかザラにあります。
ちなみに会計士試験突破には多分10000時間くらいかかります。

その2:会計士を前提とした志がある人
2つ目はちょっと適当です。噛ませ犬です。
例えば、会計士資格をとって、監査法人で経験を積んで、ベンチャー企業のCFOになる!みたいな志があるなら是非目指すのが良いかと思います。
とはいえ、勉強どうしようか迷っている段階でそんな崇高ではっきりしたビジョンを持てることは非常に稀と思いますので、これは噛ませ犬ということで無視してくださいすみません。だいたいさっきから噛ませ犬って適当に言ってるけど噛ませ犬ってそもそも何すか。
あと、おまけ程度に、年収1,000万円プレイヤーになりたいんだ!というアツい魂がある人もアリかもしれないです。

公認会計士をやめとけと言いつつも大学生にはおすすめ
本記事のタイトルが「やめとけ」となっているにも関わらずおすすめする展開になってしまっているのですが、これまでのことを踏まえても「どうしようかな〜」って決めきれない方もおられるかと思います。
その場合ですが、今大学生かどうかで選ぶのもアリかと思います。というのも、結局は公認会計士の資格があるかないかだと絶対あったほうがいいのですが、試験の難しさゆえに”そもそも資格を取れるのか”が最大の考慮ポイントになってくるのではと思います。
で、大学生だと合格に有利な要素がたくさんあるから目指したらいいんじゃないの?って話です。
大学生が有利になると考えられる要因は下記です。
・合格者の8〜9割が大学生or卒業生
・大学生は時間が大量にある
・長時間勉強できる体力がある
・大量の暗記ができる新鮮な脳みそがある
その1:合格者の8〜9割が大学生or卒業生
一番大きい要因がこれです。毎年微妙に実績の変化はあるかと思いますが、社会人をしながら合格しましたって人は全体の5%とかそんなもんです。
つまり社会人ではない、大学生や大学を卒業して勉強専念みたいな人が、合格者全体のほとんど8〜9割を占めてます。
公認会計士を目指すなら大学生のうちに目指したほうが良さそうです。
その2:大学生は時間が大量にある
2つ目は、大学生は時間が時間が大量にあるという点です。
この試験は、理想は1日10時間とか勉強することですが、そういうことができるのが大学生の強みです。
ちなみに、大学に通いながら合格を目指す記事はこちら。

その3:長時間勉強できる体力がある
これは大学生っていうよりかは、若いと体力があるので有利って話です。なんか「若い=体力がある」っていう昭和みたいな発想になってますね。
勉強って1日中椅子に座ってるだけだから「体力とかいらないじゃん〜」ってなるのが普通と思います。ていうか実際そうなんですけど。
でも1日10時間勉強するのが1週間とかではなくて、1年2年スパンで考えると、やっぱ体力気力はあったほうが絶対に良いので、どうせ目指すなら若いうちのほうが良いです。
その4:大量の暗記ができる新鮮な脳みそがある
最後は、脳みそ関係です。若干無理やりです。
この試験では大量の暗記が必要です。なので、ヨボヨボの脳みそよりフレッシュな脳みそで戦うに越したことはないです。なので、「今から5年後に目指してみようかな〜」ってなっているならば、今目指したほうが良いです。
大学生におすすめまとめ
ということで最後の脳みそは噛ませ犬感がありましたが、大学生にはおすすめなこと間違いなしです。
この試験を目指すに際して、おすすめの大学はどんなとこ?って記事もありますので合わせてどうぞ。

【おまけ】残業時間のモデルケース
最後におまけです。
会計士はやめとけって理由の大きな理由として、激務ってことが挙げられますが、激務の分かりやすい指標として残業時間があります。
管理人の経験をベースに、「監査法人に勤務してる非管理職の人らはこんなもんじゃないの〜?」っていうのを予想で書きます。
下記の通りです。ちなみに36協定では42時間かそれくらいを超えると働きすぎの水準になったはずです。
1月 | 30時間 |
---|---|
2月 | 40時間 |
3月 | 50時間 |
4月 | 100時間 |
5月 | 80時間 |
6月 | 60時間 |
7月 | 30時間 |
8月 | 5時間 |
9月 | 20時間 |
10月 | 20時間 |
11月 | 35時間 |
12月 | 40時間 |
4月と5月が際立ってますね、一歩間違ったら命を落とす働き方です。4月と5月がやたら際立ってますが、他の月も世の中の平均と比べたらまあまあ半端ないですね。
あと、上記はあくまで平均はこんなもんじゃないの?という管理人の勝手な予想で書いてますが、あくまで平均です。なので、例えば、いわゆる決算月が3月以外の”期ズレ”の会社を複数持っていたりするとより一層残業割合が増加します。
最後にここまで書いといてなんなのですが、当記事よりはるかに充実した内容で書かれてる書籍がありましたので、よく分からんかったわ〜って方は書籍を読んでください。
